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旧暦十月一日。
とうとう冬の季節に入った。
一昨日立冬も迎え、節気も暦どおり。
雨上がりの道なき森をうろうろ。
~今日の愉快~
まだ暗い里の道を歩き出す。
唯一の街灯に照らされたナンテンが妖しく光る。
山里をとりまく尾根は霧のなか。
黄葉のあるところは山道がほんわりと明るい。
雨に濡れた山の景色はどこか艶っぽい。
藪を漕いで黄葉で明るい雑木林にむかう。
紅く色づいたカエデの落ち葉だらけ。
木の葉の隙間からのぞいた景色。
雑木が密集した林のなかでは、
変化する色彩をうまく表現できない。
山中では出会うことが少ないクサギ。
色づいた実が落ちてしまい、あとにのこった
ガクが花のように色づいている。
真紅の落ち葉。
落ちたての新鮮なもの?から、すでにパリパリに
なってるものまで落ち葉もさまざま。
クモの糸のコップ。
森の中、一瞬光がさして目の前のなんでもない
クモの巣が別物に変化した。
森の中の広場。
誰も見ない空間でも静かに時間が流れている。
この一角だけとても明るい。
森をさまよい開けた谷にでる。
倒木のうえにキノコの一群が見える。
遠くからでもよく目立つ。
谷から尾根筋を見上げていると日が差して
色づいた葉が輝きだした。
気持は急くが急斜面でなかなか近づけない。
急斜面を登ると汗をかくほど気温が高い。
小休止していると細い倒木の環状キノコが目についた。
形も面白いが色合いもなかなか味がある。
黄葉や紅葉が多い中、薄黄色の葉も風情がある。
再び谷底へ転げ落ちる。
古い倒木上の小さなコケが色鮮やか。
同じ倒木の側面にはキノコの群れ。
しゃがんで覗き込むと網目がきれい。
さらに谷を下ると小さな水の流れがあらわれてきた。
コケだらけの岩のうえに、ウスツメゴケが群生している。
紅葉するマツカゼソウ。
昨夜の雨粒がぽつんと一滴だけ残っている。
ほかは風のゆれで落ちてしまったか。
谷の終わりはたいてい杉林。
こんなところで偶然出会った虫。
木登りをしてどこに行くのだろうか。
里に帰ってきた。
赤いナンテンの実が懐かしく感じられる。