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山間部の明け方は寒い。
未明から微かな風が吹いており霧はない。
紅葉の様子を見るため出灰川の上流を遡行する。
思った以上の寒く、震えの止まらない半日となった。
~今日の愉快~
葉が散って実が目立つ木。
わずかに残った黄色い葉がさみしげ。
ツツジの葉まで紅い。
これも紅葉しているうちにはいるのだろうか。
触るとふわふわした産毛が気持ちよい。
アザミもそろそろ元気がなくなってきた。
長い茎も地面に倒れてきている。
青紫の花が朝の光の少ない山中に浮かび上がる。
ちいさな河原いっぱいに生えた枯草の色。
ついこの間まで緑色の葉を茂らせていたのがうそのよう。
赤紫色の群落がなぜか愉しい。
川の中にたたずむ岩の上の様子。
さまざまなコケ類が共生している。
細かな露がびっしり。
流れがゆるやかな川面をゆっくりゆっくりと流れる枯葉。
時間が止まってしまったみたい。
ゆったりとした水面に映し出される山の風景。
ふとした拍子に水面が乱れると写像もぼわんと揺れる。
川の上空を黄葉が覆う。
上を見ると光にあふれる景色なのに、
水面は黒い鏡。
石の階段を流れ落ちる水。
光る水面の間から水中の様子が垣間見える。
もう水は驚くほど冷たい。
コケの陰影。
差し込む光の角度もずいぶん低くなった。
凍える谷を離れて尾根に這い上がる。
黄葉の輝きがまぶしい。
照り返しで松の幹まで明るい。
木漏れ日に浮かびあがる黄葉。
自然が作る黄色いグラデーションが愉しい。