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ようこそポンポン山の森へ。    ポンポン山とは・・・大阪と京都にまたがる標高679mのなだらかな低山。大阪からは北摂山系、京都からは西山と して知られる。 都に近い里山として、信仰の場として、人との関わりは昔から続いてきた。まだ再生可能な程度に自然が残り、日本鹿や猪・小動物の影は濃く、植物の種類もままある。    この日記は・・・一年を通じポンポン山地域を放浪し、猪鹿鳥の目線で自然と戯れ愉しむ。その妙の一端を歳時記に綴る。着飾らない自然をご覧あれ。気になる写真と出会ったら感想もご自由に。
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季節外れの台風20号が南海上を通過。
その影響で山は一日中、風が強い。
体感気温は明け方が最も高く、日中は風の影響で低く感じる。

朝のうちはまだ雨が残る。
人気のない谷から尾根をめぐる。

~今日の愉快~

雨がなかなかあがらない。
まだ暗い谷の道沿いに鮮やかな緑色のコケが広がる。
そっとさわってみるとしっとりしていてふんわり柔らかい。


大きなカエデの葉。
雨の中、光は十分ではないが色づいた葉を
浮かび上がらせるには足りているみたい。


本当に風が強い。
スギの葉も枝ごとわさわさと揺れる。
暗い木立を通してみると面白い姿となる。


山道に落ちていたモミの実。
まだ若い実。普段はあまり見かけない。
強い風に飛ばされたか。


センブリの花が咲き出した。
どこから湧き出したのかというくらい、開けた斜面のあちこちから
たくさん伸びてきて一斉に花を咲かせ出している。
雨上がりのぼんやりとした光と空気によく似合う。


川久保渓谷をはさんでポンポン山を見る。
雨があがると山のあちこちから水蒸気が立ち上る。
風にあおられて姿がどんどん変わってゆく。


日当たりのよい南西斜面。
ぽつんぽつんと紅葉した木が目につく。
雨上がりの森は木の肌から葉っぱまで、色が一段ときれい。


こちらは黄葉。
だいぶ葉が散って、隙間が増えてきた。
背景もふくめ、メリハリないぼんやりした色彩が愉しい。


秋のアザミ。
春のアザミと違って、ぼっとした色合いの花が多い。
咲き始めたばかりの一輪の花がひときわ鮮やか。


尾根をくだり別の谷へ。
杉林のなかでツタウルシが黄葉している。
ときおり鋭くなく鳥の声が聞こえてくる。


谷の出会いに群生する野菊。
強風もこの谷底までは届かず、雨の雫がたっぷりと残っている。
一度しゃがみこむとなかなか離れられなくなる。


ノブドウの実。
どこにもありそうだけど山中ではあまり見かけない。
自然の色は実に摩訶不思議。


ほだ木から気の早いシイタケが出だした。
雨に濡れてしっとりとした感じ。
いろんな形があって面白い。


山里のコムラサキ。
しっとりとした空気、ぼんやりとした光のなかだと、
薄紫の色合いがじっくり味わえる。


山里の柿。
食べごろの実、実に美味しそう。

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旧暦9月13日。
今晩は後の月見。
よく晴れた夜の空にくっきりと月が輝く。

~今日の愉快~

十三夜の月・栗名月。
今年も中秋の名月ともども見ることができた。
この月に限らず夜空を見上げるのが愉しい季節。

今朝はとても冷え込んだ。
山間の朝の気温は3℃以下になっている。
昨日の寒さに懲りて、今日は冬支度。

ぼちぼち尾根を歩く機会が増えてくる。
東から西をぐるりと。

~今日の愉快~

曙のアケボノソウ。
そういえばこの時間帯に眺めるのは初めて。
暗い谷間で見る開きかけの花はなかなか味わいがある。


シラキの実と紅葉。
柿の葉に似ているが、色づき方は独特。
明るさが十分でないときに見る紅葉は別の色にみえる。


ネムノキの実が大きくなってきた。
ここではまだ茶色になっておらず、豆が透けて見える。
朝の時間の青みがかった緑色がいい感じ。


朝の山道。
覆いかぶさる梢の葉が黄色味を帯びて明るく、
川の周りの暗さと対照的。


ぼんやりとヘクソカズラの実が輝きだした。
顔を近づけてぐるぐる巻いたつるを眺めていたら、
突然カマキリの姿が目にとまりびっくりした。


ミヤマシキミの赤い実。
この実の赤さはなんのためなんだろうか。
細かな水滴が一面についている。


朝の光が差し込み森の下草が輝いてみえる。
じっと眺めるゆとりもなく、あっというまに光の束は移動する。
まさに地球の回転の速さを体感する。


こっちではウリハダカエデの落ち葉が光に透ける。
紅さと黄色がかった緑の取り合わせがいい感じ。
ゆらゆら揺れる葉をみて、思ったよりも風がでていることに気づいた。


明るさを増した雑木のトンネル。
もう少しすると緑色が消えて茶色になったトンネルが現れる。
天候にかかわらず四季を通じてこの場所でしゃがみこみ、
この景色を眺めている自分が愉快。


朝日が差し込む谷間の光景。
明暗のコントラストと緑の輝きが見ていて飽きない。
すぐ近くで鳥が木をつついているのに姿をとらえられない。


カエデの輝き。
青緑や黄緑など緑色も思ったより多彩。
谷川の水面に反射する光がまぶしい。


イヌガヤの実が熟してきた。まるでブドウみたい。
薄い皮をむいて口にすると、濃厚な甘さがある。
ただ種は大きくて果肉はとても少ない。


やや広々としたスギの森。
光が差し込んで明るさがあり気持がいい。
見上げるとこんな感じ。


ボタンヅル。
ついこの間まで花をみていた感覚なのに、
もう種子から伸びる羽毛が銀色に光る時季になっていた。


尾根の広葉樹が広がる森の地面。
落ち葉に混じって実もたくさん落ちている。
しばらくはあたり一面の地面とにらめっこする。

金曜日は久しぶりの雨。
一日中しとしとと雨が降り続き、たくさん水たまりができた。
週末は一転冬並みの気温となり未明の山は5℃以下。

滝の様子を見に谷へ。
~今日の愉快~

雲が残るものの天気は回復しつつある。
雨に洗われて空気が澄んでいる感じ。
明けの明星・金星が輝いている。


ポンポン山の西を流れる出灰川。
谷沿いは秋色に変わりつつある。
川の水音はもはや寒さを感じさせる。


暗い谷間に咲くシュウカイドウ。
透き通る薄紅色の花が美しい。


この一角は樹齢の古い大木が多い。
コケとツタに覆われた広葉樹の幹。
太い幹に力強い枝の張り具合が心地よい。


1年ぶりに出会ったホコリタケ。
同じ場所で今年も群生している。
そろそろ頭にぽっかりと穴が開くころか。


滝の中ほどに生えるマムシグサ。実が赤く熟してきた。
それにしても寒い。
気温が低いうえに風が始終吹いているため、まるで厳冬のような寒さ。
体全体がこわばってきた。


根っことツタの競演。
枝やツタに絡まるコケとあいまって異様な空間。
ぼんやりとした光のせいで、なかなか離れがたい雰囲気がある。


大好きなコケの庭園。
夏ばてだったコナアカミゴケが見事に復活。
ごろごろした岩場のあちこちで盆栽風のミニ庭園を見せてくれる。
雨上がりの朝、なぜか寒いときに限って印象深い。


自然の庭園の一角に生える白いキノコ。
いまは名前を知らない。
マシュマロのようにふわふわで丸あるい容姿が面白い。


キノコの一種、フクロツチガキ。
どうみても木の実が落ちてきたようにしか見えない。
落葉の上に乗っかってるだけ、根があるわけでもなく不思議。


とても素敵なお気に入りの滝。
ちょうど朝日が差し込み、しばらく釘付けにさせられた。
雨あがりで水量が多く、滝もご機嫌の様子。


滝を照らした光は対面する山肌に吸収される。
ふと横を見ると暗い斜面の一部が浮かび上がる。
落ち葉の枯葉色、コケの緑色が心地よい。


ゴツゴツした木の肌と巻きつく太いツタ。
朝の斜めの光による陰影が面白い。
急斜面にいることを忘れてしまうひと時。


倒木を埋め尽くすカワラタケみたいないキノコ。
裏側からみるとまったく別ものに見える。
この谷にとって朝日が差し込む旬の時期に当たったみたい。


谷から空を仰ぐ。
黄葉した木の葉と空の青色がすがすがしい。
谷に差し込む光をじっと浴びて体を温める。


山里にもどってくると一足早い紅葉がお出迎え。
夜明け前も綺麗だったが、光を浴びるとまた違った美しさになる。

曇天の休日。山のなかはメリハリがない。
過去の愉しい場面を思い浮かべながら歩く場所について悩む。
結局とても目立たない谷をのんびりぶらぶら。

~今日の愉快~

この谷は晴れていても日陰となるところ。
そのせいかシダや木に着生するコケが多い。
このところ雨がなく谷を流れる水音はとても軽やか。


変色してきたマタタビの実。
虫えいでない実を見るのはまれ。
ごつごつした形のほうが自然に感じてしまう。


サンショウに実。
もうすっかり種子がでている。
ぱっくりと口を開けた姿が面白い。


まだ紅いサンショウの実。
隣りどおしなのにこの違いはなぜなのかと考えてしまう。
紅すぎない色合いが周囲の景色によくマッチしている。


ウドの実。
実の空間配列が実に不思議。
背丈もよくぞここまで大きくなったものだと感心する。


開きかけたヤブツバキの実。
隣では花芽がふくらんできた。
まだ紅さを残している実の色がかわいらしい。


久しぶりに出会ったヤマアカガエル。
横から見ると、主人を見上げている犬のよう。
気温が下がったためか、かなり動きが鈍くなった感じ。


谷の上部はなだらかな地形。
このところニホンジカのフィーヨーと鳴く声をよく聞く。
百人一首の歌にあるような紅葉はまだ一月先。


朽木になる白いキノコ。
ぼんやりした曇天の光がよく似合う。
なぜかほっとする一瞬。


倒木の下面に生えるサガリハリタケ。
こちらも晴天時にはなかなか目が向かないところ。
しげしげみると不思議な姿形をしている。


たぶんシワタケの仲間と思われる。
じっくり見たことがないため、あらためて向きあうと
なにものかが理解できないため頭が空白になる。


尾根を通り越して隣の谷へ。
いつの間にかマツカゼソウは花が終わり実ができている。
茎の色はこんなにきれいだったかしら。


もう今年は終わりかと思ったが、思わぬところで立派なアケビに出会った。
日当たりの加減か他にもたくさんの実がなっている。
色艶ともまるで空中になるお芋みたい。

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